芥見下々先生の大人気漫画「呪術廻戦」において、渋谷事変で五条悟が使用した「0.2秒の領域展開」とは何なのかまとめました。
「渋谷事変」で、なぜ五条悟は「0.2秒の領域展開(無量空処)」を発動する必要があったのか、その技の威力、呪霊に与えた影響、一般人への後遺症、アニメ「呪術廻戦」第2期ではいつ描かれるのか?など分かりやすくネタバレ有りでご紹介。
※本記事は「呪術廻戦」に関する重要なネタバレを含みます。
呪術廻戦「渋谷事変」における五条悟の立ち回りと出来事
10月31日のハロウィンに渋谷で勃発した未曾有の呪術テロ「渋谷事変 (しぶやじへん)」は、”五条悟の封印”を目的とした「呪術師 VS 呪詛師・呪霊」との大規模な戦闘です。
五条悟は、上層部が決定した”五条悟単独での渋谷平定”に向け、一人で渋谷駅構内を進み、漏瑚、花御、脹相など強力な特級呪霊と対峙します。しかも、周りには多数の一般人(非術師)が渋谷駅内に閉じ込められていたため、五条悟の立ち回りは非常に制限され、戦いづらい状況が作られていました。
「一般人に極力犠牲を出さない」ように立ち回りながら、「特級呪霊たちを祓わなければならない」という状態で、五条は必中必殺の領域展開を展開することは出来ません。
その理由は、五条悟が領域展開「無量空処」を行えば、「非術師 (一般人)」も巻き込まれて、無限の影響で廃人または死んでしまうからです。これは、公園で「偽夏油」が漏瑚に話していたシナリオ通りです。
また、漏瑚と脹相が非術師を盾に使って時間を稼いだことで、30分以上も時間をロスしてしまいます。その結果、真人が電車に乗った一般人を大量に改造人間に変え、その電車が渋谷駅に到着します。五条は漏瑚、花御、脹相に加え、真人、約1,000体の改造人間も相手にしながら、一般人を守るという状況に追い込まれます。
このような困難な状況の中で、最強の呪術師・五条悟は一か八かの「0.2秒の領域展開」を選択しました。
五条悟が「0.2秒の領域展開」をしたのは漫画では何巻何話?
最強の呪術師・五条悟が、一か八かの賭けで”0.2秒の領域展開”を繰り出したのは、単行本 第11巻 第89話「渋谷事変 ⑦」となります。
五条悟が渋谷事変で使用した「0.2秒の領域展開」とは何なのか?
五条悟が採用した「0.2秒の領域展開」とは、0.2秒の一瞬のうちに領域を展開し、すぐ解除するという「一般人が廃人にならず、後遺症も残らないであろう最小限の高度な領域展開」です。
「0.2秒の無量空処」の必中効果を受けた改造人間を含む非術師は、時間にして約半年分の情報が脳に強制的に流し込まれました。0.2秒後には領域を解除して、現代最強の呪術師「五条悟」は、副都心線B5Fに放たれた改造人間およそ1,000体を現実時間299秒で祓いました。
- 0.2秒だけ領域展開「無量空処」を実行 → すぐ領域展開を解除する
- 改造人間を含む非術師たちは、無量空処の影響で立ったまま気絶する
- 特級呪霊たちも「無量空処」の影響で、しばらくの間身動きが取れない
- 五条悟は、その僅か299秒の間に「約1,000体の改造人間」を鏖殺した
漫画作中やアニメ第33話「渋谷事変 開門」で少し分かりづらいのが、「五条悟が改造人間たちを高速で祓っているシーンが、領域展開後0.2秒以上経っているように見える」という点です。これは先述の通り、「0.2秒だけ領域展開」をしていますので、その後の「299秒」は現実時間での話です。つまり、約1,000体の改造人間を祓っているシーンは、領域展開は解除されており、周りの非術師や改造人間は「無量空処」の影響で動けていないだけとなります。
0.2秒後には「無量空処」は解除しているので、呪力に慣れている特級呪霊たちがいつ目を覚ますか不明だったため、五条はカウンターを考慮して、真っ先に「改造人間」だけに標的を絞って鏖殺していったという描写になります。
無量空処の特性をおさらい
領域展開「無量空処」は、知覚と伝達が無限に続く特殊な空間を形成します。五条の領域に入った人間は、”無限の情報”を提供され脳が圧迫、一定時間を超えると廃人になってしまいます。人間の脳は有限であるため、無限に続く圧倒的な情報量を強制的に流し続けられたら処理出来ず「パンク」してしまうとされています。
偽夏油と特級呪霊達の作戦と五条の反撃
偽夏油と特級呪霊達は、真人が率いる大量の人造人間を投入することで、20分以上の時間稼ぎをして、五条が領域展開をしないよう計算していました。
特に漏瑚は「貴様の想定している”犠牲”は、呪霊に殺される人間であって、五条悟に殺される人間ではないから、領域展開はできんだろう」と、五条が非術師を巻き込んで領域を展開しないという偽夏油の考えを疑いすらしていなかった模様。
しかし、五条は彼らの思惑を覆し、領域を展開する決断を下しました。これは「偽夏油 (羂索)」が漏瑚達に説明していた「九分九厘、彼は領域を展開しないよ」という夏油組の作戦に対する五条の見事な反撃でもありました。
特徴的な真人の驚き
五条が領域展開を発動した際、一番驚いていたのは真人でした。真人は人間の恐怖から生まれた呪霊であり、五条が領域展開をするとは予想していなかったようです。この予想外の行動は、五条が最強であるがゆえの自信と勘によるものであり、五条の予想外の行動に彼は驚愕していました。
五条悟はなぜ”0.2秒”を選んだのか?
五条悟の「0.2秒の領域展開」は、非術師が廃人にならず、後遺症も残らないであろうと「最強の五条悟」が直感と勘で設定した時間です。この結果、全員が”半年分の情報”を脳に受け立ったまま気を失いましたが、後遺症は残らず、全員が無事に2ヶ月後には社会復帰を果たします。
五条の勘と人命を天秤にかけた冷徹な計算
五条悟が通常通りに領域を展開すれば、一般人の脳には取り返しのつかないダメージが与えられてしまいます。しかし、”0.2秒”という短い時間であれば、脳に与える影響は最小限に抑えられると五条は考えました。この「0.2秒」という時間は、五条の直感によるものであり、実際には科学的な根拠はないようです。
「0.2秒の領域展開」の威力は?
五条悟の領域展開「無量空処 (むりょうくうしょ)」の必中効果を受けた一般人は、0.2秒の間に約半年分の情報が流し込まれました。
五条が「0.2秒の領域展開」をしたのはいつ?どこ?
「0.2秒の領域展開」が発動されたのは、2018年10月31日の渋谷駅は副都心線B5Fです。彼の高度な領域展開を受けたのは、真人、漏瑚、脹相、花御、約1,000体の改造人間と、一般人(非術師)です。
その後「一般人(非術師)への影響」はどうなった?
「0.2秒の領域展開 (無量空処)」で一般人が廃人にならず後遺症も残らないだろうというのは、五条悟が戦闘中に直感の勘で設定した時間です。
科学的根拠など五条には一切なかったようですが、週刊少年ジャンプ2023年25号にて、両面宿儺との戦いに赴く「五条悟と伊地知潔高」との会話にて、”「無量空処」の後遺症は?”と五条悟が、伊地知潔高に質問し、伊地知潔高は「ありません、既に全員社会復帰を果たしています」と描かれました。
なお渋谷事変後、呪霊が数多く出現し、”東京の非術師は渋谷に近いほど生存率が低い”と伊地知が五条に説明。しかし、五条悟が領域展開を展開した「渋谷駅 副都心線・B5F」は、五条の残した呪力の影響(残穢)で呪いが全く寄りつかなかったとも伊地知潔高が明言しており、地下5階に居た人達が無事だったのは、五条の残穢も影響していたと思われる。
アニメ「呪術廻戦」第2期 渋谷事変では何話?いつ描かれる?
五条悟が特級呪霊達相手に「0.2秒の領域展開」をするのは、アニメ第33話(第2期 第9話)「獄門疆 開門」になるでしょう。理由としてはMAPPAは、基本的に「原作3話分をアニメでは1話」として丁寧に描いています。
アニメ「呪術廻戦」第32話(第2期 第8話)では、原作漫画第10巻 第87話で描かれた「虎杖悠仁 VS 蝗GUY」の戦いが主に描かれましたので、原作コミックス第11巻の第89話はアニメ第33話で描かれると思われます。また、サブタイトルの「獄門疆 開門」は、夏油傑(羂索)が「五条悟の封印」を実行した”獄門疆”を起動するシーンの台詞。獄門疆が開門するシーンは、五条悟の「0.2秒の領域展開」後のシーンとなるため。
話数 | サブタイトル | 原作の該当話 |
---|---|---|
32話 | 渋谷事変 | 10巻 83話 〜 10巻 88話 |
33話 | 渋谷事変 開門 | 10巻 84話 〜 11巻 90話? |
34話 | (渋谷事変 ??) | 11巻 90話? 〜 11巻 92話? |
”0.2秒の領域展開”という賭けの結果と夏油傑(羂索)の計算
特級呪霊たちは、五条悟が一般人を自分の術式で傷つけないという性格を逆手に取り、その足枷として利用していました。
ですが五条の賭けは成功し、299秒で1,000体以上の人造人間を祓いました。夏油が計算に入れていたかどうかは不明ですが、五条が領域展開を発動した時、夏油の焦り顔は描かれていません。これは夏油が五条のポテンシャルを見越して計画を立てていた可能性もあります。
特級呪霊達は、五条が領域を展開しないと夏油から戦略を聞き、そうなるだろう考えていました。しかし、五条はその思惑を裏切り、領域を展開。その結果、呪霊達の計画は大きく狂います。ですが、一般人を利用して五条を挑発するこの策略は、夏油傑(羂索)にとって、五条悟という人間のポテンシャルを考えた時、どう反応するかも読んでいた、あるいは試すものだった、とも考えられます。
なぜなら、五条悟が「0.2秒の領域展開」で、特級呪霊達のカウンターに備えながら1,000体の改造人間を鏖殺した次の瞬間、夏油傑(羂索)が現れ「獄門疆 開門」と唱え、五条悟の封印を実行しています。このタイミングで現れ、「獄門疆」を使うというのは、”五条悟ならこうする”と予測・分析していたからではないでしょうか。