呪術廻戦に登場する最悪の呪詛師「夏油傑 (げとう すぐる)」が、なぜ闇落ちしてしまったのかをネタバレ解説しています。
また夏油傑の能力や強さ、かつて2人で最強だった親友「五条悟」とのエモすぎる関係などもまとめているので、夏油傑の闇落ちの理由や、五条悟との関係性について、調べる際に是非ご覧ください。
呪術廻戦「夏油傑」とは? 年齢や誕生日などプロフィールまとめ
夏油傑(げとうすぐる)は、呪術界で最も権威のあるランク「特級」の呪術師のうちの一人で、彼は「呪霊操術」によって呪霊を自在に操ることができます。特級の呪霊さえも使役する彼の力は、他の呪術師とは一線を画しています。
彼は五条悟、家入硝子と同じ学年で、呪術高専の2年生時点で親しい友人となっていました。高校2年生のときにはすでに1級術師の技量を持ち、その後、3年生になると特級術師に昇格しています。
また『呪術廻戦』では、12年前の2006年に設定された懐玉編で初登場し、五条悟と共に星漿体を護衛する任務に取り組みました。特級の称号を持つ人物は作中で四人しかおらず、夏油傑もその一人として、0巻や劇場版『呪術廻戦0』で登場しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
名前 | 夏油傑 |
年齢 | 享年27歳 |
誕生日 | 2月3日 |
高専入学方法 | スカウト |
術式 | 呪霊操術 |
使用した主な呪霊 | ・極ノ番「うずまき」 ・特級仮想怨霊「化身玉藻前」 ・虹龍 ・口裂け女(切り裂き女) |
等級 | 特級 (呪詛師) |
趣味・特技 | 格闘技 |
ストレス | 呪霊を取り込む事 |
好きな食べ物 | ざる蕎麦 |
苦手な食べ物 | 無し |
声優 | 櫻井孝宏 |
夏油傑が闇堕ちした理由とは? その真意
それでは、本題となる”夏油傑の闇落ち”について。「夏油傑」は高専時代、五条悟と共に2人で最強の呪術師コンビでしたが、彼は最終的に闇落ちし、最悪の呪詛師になってしまいました。これから説明する夏油傑が闇に落ちた理由は、単純ではなく多岐にわたります。
夏油傑が任務で護衛していた星漿体・天内理子の悲劇的な結末、盤星教の信者たち(彼が守るべき人々)が天内理子の遺体を微笑んで拍手で迎える様子に感じた信念を揺るがす程の違和感、特級呪術師である先輩「九十九由基」との重要な会話、後輩呪術師の死、あるひどく暑い夏の季節に起きていたストレスの毎日など、これらの要素が彼の理念を変え、「歪んだ大義」へと導きました。この記事では、これらの理由を一つずつ詳しくネタバレ解説していきます。
- 「星漿体」天内理子を護衛する任務が最悪の形で失敗する
- 「呪霊操術」を使用して呪霊を取り込むプロセスで感じるストレス
- 先輩呪術師「九十九由基」と出会った際に彼女との対話の内容
- 後輩呪術師である灰原雄の死と、七海建人から投げかけられた「五条悟」についての特定の言葉
- 非呪術師達による美々子と菜々子が監禁されている様子を目撃する
夏油傑と五条悟、2人合わせて最強との自信
夏油傑の闇堕ちは、彼の理念(信条)の変化から始まりました。
『呪術廻戦』原作コミックス第8巻65話では、五条悟が「帳」を降ろさずに夜蛾に怒られた後、一般人に見られても問題ないと言いましたが、夏油傑が彼を「駄目に決まってるだろ」と咎めました。
夏油傑は、呪霊の発生を抑制することが何より人々の心の平穏を保つと主張し、そのために目に見えない脅威を極力隠すべきだと強調しました。彼はまた、理想的な社会は「弱きを助け強気を挫く」べきであるとし、呪術は非術師を守る目的があると考えました。
護衛任務で「星漿体」天内理子を守る際、五条悟は「まぁ大丈夫でしょ 俺達最強だし」と自信に満ちた言葉を口にしました。一方、夏油傑も、「私達は最強なんだ」と天内を安心させるためにあえて口にするシーンが描かれています。
懐玉編での五条悟と夏油傑の二人の姿は特徴的で、若さに起因する全能感が強く感じられます。「呪術廻戦」ではこの全能感が二人の魅力の一部となっていますが、後に登場する伏黒恵の父である呪詛師「伏黒甚爾」によって2人の自身や関係は打ち砕かれてしまいます。
- 五条悟が”帳”を降ろさず、夜蛾に怒られる。
- 一般人に見られても問題ないと五条が発言。
- 夏油傑が「駄目に決まってるだろ」と五条を諌める。
- 夏油傑は呪霊の発生を抑制することが人々の心の平穏を保つと主張。
- 夏油傑は目に見えない脅威は極力秘匿しなければならないと続ける。
- 夏油傑は「弱きを助け強気を挫く」が理想的な社会の姿であると語る。
- 夏油傑は呪術は非術師を守るためにあると主張。
- 夏油傑自身も、自分達が最強であると認識していた。
夏油傑の闇落ち理由1 – 「天内理子」護衛任務の悲劇的な結末
夏油傑は天元との同化を拒んだ天内理子を救おうとしましたが、彼女は彼の目の前で殺されました。その後、非術師の伏黒甚爾に対して敗北し、理子の死体を奪われるほどに圧倒されました。
伏黒甚爾の言葉が、夏油傑の将来の価値観を形作るきっかけとなる
甚爾が夏油傑を死なない程度に斬り、自分のような「呪術も使えぬ猿」に負けたことを忘れるなと言い残しました。この発言は、夏油傑の価値観に深く影響を与えました。
後に、夏油傑は盤星教の施設で、五条悟が取り返した理子の死体の前で、信者たちが拍手する醜い光景を目撃しました。その光景を思い出し、「猿め…」と呟くコマが描かれる。最終的に、夏油傑が呪詛師になった後に、「猿は嫌い それが私の選んだ本音」との一文が記されることとなります。
- 天元との同化を拒んだ天内理子を救おうとするが、彼女は夏油傑の目の前で殺される。
- 非術師の伏黒甚爾に対して夏油傑が敗れる。
- 伏黒甚爾との戦いで完全に圧倒され、理子の死体を奪われる。
- 伏黒甚爾が夏油傑を死なない程度に斬り、自分のような「呪術も使えぬ猿」に負けたことを忘れるなと言い残す。
- 伏黒甚爾の発言が、夏油傑の価値観に影響を与える。
- 盤星教の施設で、五条悟が取り返した理子の死体の前で、信者たちが拍手する醜い光景を目の当たりにする。
- 夏油傑が盤星教の信者が拍手している光景を思い出し、「猿め…」と呟くコマが描かれる。
- 夏油傑が呪詛師になった後、「猿は嫌い それが私の選んだ本音」との一文が記される。
夏油傑の闇落ち理由2 – 呪霊を取り込む度に感じる「ストレス」
玉折編では、昨年の災害の影響で呪霊が蛆のように湧いたとされています。夏油傑はこれらの呪霊を祓い、取り込む作業を繰り返しましたが、その度に「吐瀉物を処理した雑巾を丸飲みしている様な味」を感じていました。
呪霊を祓う度にストレスを感じ続けていた夏油傑
ファンブックでは、この「呪霊を取り込む事」が夏油傑にストレスであったと記されているため、彼の闇落ちの理由の一つとして「呪霊を取り込む」という行為も大きく関わっていた可能性が高そうです。
夏油傑の闇落ち理由3 – 九十九由基との会話
夏油傑と九十九由基との会話も、彼の心の変化を引き起こしました。九十九の目標は、呪霊を祓うという一時的な対症療法ではなく、「呪霊が生まれない世界を構築する」という根本的なアプローチとしての原因療法でした。
当時の夏油傑は、「自分の中で非術師の価値が揺らいでいる」「弱者への分別・受容ができなくなっている」と自覚していました。
この九十九の高専がやっている対症療法ではなく、”原因療法”というその言葉は、夏油傑の内なる葛藤を浮き彫りにしました。
九十九の目的を聞いて、夏油はどう反応したか?
「全人類が術師になれば呪いは生まれない」との九十九の言葉に、夏油は盤星教の信者の様子をふと思い出しました。その後、「じゃあ非術師を皆殺しにすればいいじゃないですか」と言う極端な反応を示しますが、彼の驚いた表情から、この発言は即座に出たもので、真意ではない可能性があります。
夏油の発言に対する九十九の同調
夏油が非術師を皆殺しにすればよいとの発言に対し、九十九は「それは”アリだ”」と肯定します。
九十九由基は、夏油の困惑を感じながらも、非術師を取り除くのが最も効率的な方法で、術師が進化するための生存戦略だと説明しました。進化を鳥の翼の発達に例えつつ、”ただし私はそこまでイカれていない”と付け加えました。
夏油の心情と価値観の変化
夏油は九十九から「非術師は嫌いかい?」との問いに対して「分からないんです」と応え、非術師の価値観が変わりつつあることを認めました。彼は呪術の目的が非術師の保護であると信じていたが、最近ではその信念が揺らいでいると自分自身で感じているようでした。
九十九だったら、夏油の闇落ちを止められたのか?
夏油は、本音が何なのか分からないと言うと、九十九はどちらの感情も本音ではなく、ただの考えられた可能性であると指摘します。
九十九は、夏油にどちらを選ぶのか自分で決めるように促し、彼の言葉を否定しない態度を取りました。特徴的なのは、「君がこれから決めることだ」と強調し、夏油の言葉を直接否定しなかった事です。
九十九由基の問題点
非術師を殺す決断を下す前、夏油は九十九との過去のやり取りを思い返し、反芻しています。この事実は、夏油の闇落ちに九十九の存在と対話が重要であったことを明確に示しています。
さらに九十九が「星漿体のことは気にしなくていい」と言ったことも、夏油傑にとっては九十九の配慮に欠けた言葉であり問題点と言えるでしょう。
- 夏油に対して呪霊の生まれない世界の構築方法を明かした
- 夏油の咄嗟に出てしまった”非呪術師を殺す”という意見を否定しなかった
- 星漿体に関することは”気にしなくていい”と伝えたこと
夏油傑の闇落ち理由4 – 後輩呪術師「灰原雄」の死と七海建人の言葉
夏油が九十九に初めて会った日に、明日の遠い任務について灰原から話を受けていました。
灰原と七海の二人が受け持ったのは、二級呪霊の討伐で大したことがないと思われた任務でした。しかし、相手は土地神で、実際には一級呪術師案件だったのです。
この事件が引き金となり、夏油は数日前に交流していた後輩である灰原雄が死亡したという厳しい現実に直面しました。
九十九との対話の中で、夏油は術師の道の果てにあるビジョンが非常に不明確であると感じていたことを述べています。
しかし、灰原雄の死という出来事を経て、夏油は仲間呪術師の死体が積み重なる結末が術師の道の果てであるとの認識に変わりました。
灰原の死が、夏油にとって術師が非術師を保護する役割を受け入れられなくなる契機となったのは明らかでしょう。
- 九十九との対話で、夏油は術師の道の終わりにあるビジョンが曖昧で、はっきりしないと感じていた。
- 灰原雄の死を目撃し、夏油の認識は変化。仲間呪術師の死が術師の道の終わりであると考えてしまった。
- 夏油が術師が非術師を保護する役割を受け入れられなくなる重要な契機となりました。
夏油に対して七海が語った言葉の意味
七海が灰原との任務から一人生還。彼に対して夏油が「今はとにかく休め」「任務は悟が引き継いだ」と言った際、七海は反応として「もうあの人1人で良くないですか?」と述べました。
この言葉から、五条と同格の特級術師である夏油が、五条が一人で”最強”であることを再確認させられたと言えるでしょう。
夏油傑の闇落ち理由5 – 夏油が目撃した美々子・菜々子の監禁事件
神隠しと変死に関連する呪霊祓除の任務を完了した夏油が2007年9月に、彼は村落で美々子・菜々子という二人の女の子が監禁されている状況に遭遇しました。
この衝撃的な光景は、非術師による虐待を目の当たりにした夏油に「非術師を見下す」という感情を強く抱かせ、結果として闇落ちへと繋がったと解釈されます。
闇落ちした夏油傑のその後の行動記録
夏油傑が非術師に対する嫌悪感の限界を突破し、集落の人々を無差別に殺害した事件。
どれだけ五条悟が悔やんでも彼の暴走は避けられない結果だったのかもしれません。この後、夏油傑は逃走、呪詛師としての処刑が決定しました。
集落における夏油傑の凶行
記録 | 2007年9月 ■■県■■市(旧■■村) |
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任務概要 | 村落内での神隠し、変死 その原因と思われる呪霊の祓除 |
結果 | ・担当者(高専3年 夏油傑)派遣から5日後、旧■■村の住民112名の死亡が確認される ・全て呪霊による被害と思われたが、残穢から夏油傑の呪霊操術と断定 ・夏油傑は逃走 呪術規定9条に基づき、呪詛師として処刑対象となる |
夏油傑の闇落ちの決定打となった「九十九由基」の影響
夏油が集落での凶行に及ぶ前に、九十九との会話が彼の心に強く残っていたことから、この会話が彼の闇落ちの原因であった可能性は否定出来ません。
もし九十九由基が夏油に対して忠告していたなら、結果は変わっていたかもしれないとの見方もあるでしょう。
闇落ち後の呪詛師「夏油傑」としての目的
夏油傑は集落の住人を殺害した後、逃走し、非術師であった自身の親も殺害しています。
その後、彼は家入と五条に会い、「術師だけの世界を作りたい」と明言しました。
九十九とのやりとりによって、夏油は全人類が術師であれば呪いは存在しないとの考えに至りました。夏油は、非術師は殺害して、呪術師だけの世界作りを決意。”生き方は決めた”事を五条悟に告げました。
その後、夏油傑は盤星教の後継団体を乗っ取り、乙骨憂太の折本里香を手に入れるべく12月24日に「百鬼夜行」を起こしました。「百鬼夜行」の様子は、原作コミックス0巻にあたる「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」および劇場版「呪術廻戦 0」にて描かれています。